具体的には、街の中心部での居住を促すための容積率の特例、雇用ルールの明確化、外国医師の診療に係る特例、農業委員会の権限に係る特例など16項目にのぼる。実は、この中には、すでにいくつか、岩盤規制に穴をあける措置が含まれているが、これは、「特区諮問会議」の枠組みを事実上先取りして、最後は官邸の決断により実現したものだった。

 法案成立以降は

・「特区諮問会議」が年明け早々に稼働

・具体的な場所の指定について検討を重ね、今春、6つの区域「東京圏」「関西圏」「新潟市」「養父市(兵庫県)」「福岡市」「沖縄県」を指定

・本稿執筆時点(7月24日)で、すでに4つの区域で「区域会議」(ミニ独立政府)がスタート

 という状況で、概して順調だ。一部で、東京都と国側関係者の対立をことさらに強調してあおるような報道もあるが、実際には、都と国の連携プレーでのメニュー追加の準備等も進んでおり、前向きに動いている。

 重要なのは、今後、この6つの区域を当面のベースとして(将来的に追加もありうる)、いかに残された岩盤規制を打ち破っていけるかだ。「区域会議」が本当にミニ独立政府として機能できるのか、真価が問われる。

 また、特区担当大臣のもとで、自治体や民間企業からの提案募集も行なわれている(※)。このアイディア募集には、ぜひ多くの人たちに、特区での事業に参入する可能性も見据えて参画してほしい。というのも、岩盤規制こそ、新たなビジネスチャンスの宝庫だからだ。  

(※)募集期間/7月18日から8月29日まで。6区域に限らず幅広く、実現すべき規制改革のアイディア等を募集する。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/boshu_h2607.html

※SAPIO2014年9月号

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