ビジネス

4~6月期の実際の消費動向 前期比-22.7%で破滅的落ち込み

 8月13日、内閣府は4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率マイナス1.7%、年率換算でマイナス6.8%と大幅減を記録したことを発表したが、その直後、日本経済新聞は〈景気、緩やか回復続く〉と書いた。一方、米CNNは〈日本の経済成長、消費増税ショックで崩壊〉と報じた。日本の御用新聞は経済の実態を示す「本当の経済指標」を国民に伝えていないのである。

 GDP成長率だけではない。政府発表の各種経済指標やそれに対する大メディアの評価には、様々なごまかしが見えてくる。例えば、家計最終消費支出を見てみよう。

 家計最終消費支出とは、食品や家電、住居・光熱水費、医療や外食といった財・サービスに家計が支出した割合だ。GDPのうち約6割を示す重要な数値である。

 今期(4~6月期)の同支出は、前期比マイナス19.2%とかなり悪い。実はこれでもまだ“上方修正”されているという。経済学者の田代秀敏氏(RFSマネジメントチーフエコノミスト)が話す。

「家計支出には、持ち家に住んでいる人間でも自宅に家賃を払っているとカウントする『帰属家賃』が含まれています。これを除いた額は消費動向を最もよく反映します。その数字は1~3月期よりマイナス22.7%まで落ち込みました。もはや駆け込み需要の反動といったレベルではなく、民間消費が破壊的な落ち込みを見せていることを示しています」

 過去の増税時の数字と比べると、その衝撃の大きさがよくわかる。消費税3%を導入した1989年4~6月期の家計最終消費支出はマイナス6.5%。前回増税時でもマイナス13.3%(1997年4~6月期)だった。政府もメディアも本当に重要な数字は国民に知らせていないのだ。

※週刊ポスト2014年9月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン