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川崎ムネリン「代打送られるのも仕事」 発言誇るべきと識者

 今季も多くの日本人メジャーリーガーが活躍した。なかでもその言動で注目を集めていたのが、川崎宗則選手だろう。「ムネリン」としてネットでも人気者だ。しかし単なるお笑いキャラではない。川崎選手に隠された「大人力」について、大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が迫る。

 * * *
 MLB(アメリカメジャーリーグ)には、現在、12人の日本人選手が所属。海の向こうの大きな舞台での活躍や、それぞれの状況の中でせいいっぱい頑張ってくれている姿は、私たちに勇気や誇りや喜びを与えてくれます。

 そんな中、野球のプレーだけでなく、大人として果敢に戦ってくれている日本人選手がいます。トロント・ブルージェイズ所属、今年で大リーグ3年目の川崎宗則、通称ムネリン。33歳を迎えた今シーズンは、9月18日現在で73試合に出場し、打率.268、出塁率.332と、そこそこの成績を残しています。

 プレー以上に注目したいのは、大人力に満ちたコメントの数々。以前からお茶目な発言が話題になっていましたが、最近は大人な方向で円熟味を増しています。

 9月17日のオリオールズ戦、それまで2四球を選んでいた川崎ですが、6回2死満塁の場面では代打を出されてしまいました。そのことに対して「チームが一つになって戦っている。代打が送られるのも僕の仕事」とコメント。なかなか言えるセリフではありません。

 会社員の世界でもムネリンの大人力を見習って、落ち度はないのに得意先の担当を若手に変えられたときは、平然と「担当を変えられるのも俺の仕事だから」と言って大人としての器の大きさを見せつけましょう。物書きの場合は、いきなり仕事を切られたときに「切られることも俺の仕事さ。それで次の人が書く場を得られたんだから、本望だよ」ぐらいのことを言いたいところです。ま、痛々しい強がりに響きそうですが。

 前日9月16日のオリオールズ戦も、完敗してライバルの優勝を見届けるという展開になりました。そのときムネリンは「やっぱり悔しいですし、しっかり目に焼き付けるのが僕にとって大事なこと」とコメント。大人のプライドに満ちた素晴らしい心がけです。

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