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【日本株週間見通し】政策期待と業績上振れ期待が物色材料に

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の9月22日~9月26日の動きを振り返りつつ、9月29日~10月3日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は反落。今週29日に召集される臨時国会に向けた政策期待の高まりのほか、9月配当落ち分の再投資といった需給要因、さらに1ドル109円台に乗せる円安を背景に、日経平均は25日には年初来高値を更新した。

 週末26日こそ、地政学リスクに対する警戒から米国市場が大幅に下落するなか、権利落ちの影響もあって16100円を割り込む局面もみられた。しかし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革といった政策期待のほか、ファナック<6954>が今期の業績予想を上方修正するなど、今後本格化する決算発表を前に業績上振れ期待なども、押し目買い意欲の強さにつながった。

 今週は政策期待が高まりやすいだろう。第2次安倍改造内閣の発足後、初めての国会論戦となる臨時国会が、9月29日に召集される。「地方創生」や「女性の活躍推進」など野党からも異論の出にくいテーマで「安全運転」の国会を目指す。カジノを中心とした「統合型リゾート(IR)推進法案」(カジノ法案)が成立する公算が大きいとみられている。また、安倍首相や塩崎厚労相による発言が相次いでいるGPIF改革への思惑も高まるだろう。

 そのほか、先週はファナック<6954>が2015年3月期連結業績予想を上方修正し、売上高、全利益段階ともに過去最高になると発表。FAとロボット、ロボマシンなどが好調に推移するなか、他のFA関連銘柄への業績上振れ期待にも波及する格好。足元では円相場が1ドル109円台と円安基調が続くなかで、今後本格化する決算発表での上方修正への期待も高まるほか、上方修正が出やすいタイミングとも考えられる。外部要因では地政学リスクへの警戒が強まっているが、国内の政策期待のほか業績上方修正などから、相場全体の底堅さが意識されやすいとみておきたい。

 そのほか、経済イベントでは、30日に8月の完全失業率、有効求人倍率、家計調査、鉱工業生産指数が発表される。10月1日には日本銀行が企業短期経済観測調査(短観9月調査)を発表。短観については、大企業製造業DIがプラス10と、2四半期連続で悪化が見込まれている。2日には日本銀行が短観9月調査の「企業の物価見通し」を発表する。短観の悪化等については、消費税率10%への引き上げ判断を控えていることもあり、追加緩和期待などにつながりそうである。

 海外では、2日に欧州中央銀行(ECB)が金融政策を発表。3日に9月の米雇用統計が発表される。雇用統計については、非農業部門雇用者数が前月比20万5000人増、失業率は6.1%と予想されている。

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