国内

専門家「噴火予知は困難。警戒レベル区分すること自体間違い」

 9月27日に発生した御嶽山の噴火は、地下水がマグマに熱せられることで起こる「水蒸気爆発」とされ、噴煙の高さは7000mに達している。

 マグマの噴出による超高温の火砕流は発生しなかったものの、激しい噴石とともに100℃以下の低温火砕流が広範囲にわたって発生したものと見られている。

 現在、噴火の可能性が高いとして、国が「24時間監視」を定める活火山は日本全国に47火山あり、それら全てに噴火警戒レベルを5段階に分けて設定しているが、そのうち、警戒レベル3(入山規制)以上に定められている活火山は、鹿児島県の桜島と、同県の口永良部島(くちのえらぶじま)の2つだけだった。

「御嶽山は1979年に初めて噴火し、1991年、2007年にも小規模な噴火を記録していたのですが、警戒レベルは1(平常)に据え置かれたままだったのです」(全国紙記者)

 レベル1でも突如、これほどの大噴火をするのだから、国が定める警戒レベルの分別や、24時間監視の仕組み、そして情報伝達のありかたとは一体なんだったのか…。今、そんな疑問の声が噴出している。

 このあたりの事情について、地震学に詳しい武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏はこう解説する。

「噴火の予知は、地震予知以上に難しいんです。世界的に見ても、予知できずに噴火した例のほうがはるかに多く、予知できたケースはごくわずかです。今回も警戒レベル1の御嶽山がいきなり噴火したように、私は警戒レベル別に区分すること自体が間違いではないかと思っています。“1だから安心”と人々は信じてしまうからです。むしろ“火山噴火は予知できない”と肝に銘じておくほうがいいのです」

 つまり、日本中の活火山は全て、明日にでも噴火する可能性があるというのだ。

※女性セブン2014年10月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン