投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、10月14日~10月17日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、地区連銀経済報告での米国の景況感や地政学的リスク(ウクライナ、中東、香港)などに警戒する展開となる。ただし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額期待は残されており、ドルの下値の目処は105円台程度であると予想される。
【地区連銀経済報告】(15日)
28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)での米国の景況感の判断材料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)に注目することになる。雇用情勢に対して悲観的な見解が支配的になった場合、量的緩和第3弾が終了した後の利上げの時期が、来年後半になる可能性が高まることになる。
【地政学的リスク】
ウクライナ情勢では、ウクライナ政府と親ロシア派分離主義者武装勢力が停戦で合意したものの、依然として戦闘が続いており、欧米によるロシアへの懲罰的制裁、ロシアによる資産凍結という報復措置を受けて、予断を許せない状況が続く。中東情勢では、欧米諸国と中東の有志連合がイスラム国への空爆を断行していることで、地政学的リスクによるドル売り要因となる。
なお、毎年後半(10月中旬頃)に米財務省は半期為替報告書を提出する。現時点で提出日は未定だが、11月に米中間選挙を控えていること、米国企業からドル高に対する懸念が噴出していること、環太平洋経済連携協定(TPP)に関して日米協議が難航していることなどから、報告書で円安について何らかの言及があるかどうか、注目されている。
10月13日-17日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。