――ICL手術を受けるまでの流れを教えてください。また、手術時間はどれくらいかかるのでしょうか?
まずICL手術について説明し、きちんと理解をしてもらいます。それから検査。近視の強さである屈折や、角膜の状態、眼球のサイズを測定し、さらにレンズを固定する場所の状態や眼の病気の有無を確認します。また、血液検査で感染症についてもチェックします。だいたい2~3時間で検査が終了しますが、角膜の形状を正確に測定するため、ハードコンタクトレンズの場合は検査の約2週間前、ソフトコンタクトレンズの場合は約1週間前からレンズの使用を控えてもらいます。
検査の結果を見て、その人の眼に合ったレンズをオーダー。近視のみの場合は約1週間後、乱視のある人はオーダーメイドになるので約8週間後にはレンズが届きます。
手術自体は、麻酔で痛みのない状態にしてからすぐに行ないます。麻酔はすぐに効きますので、手術時間は長めに見積もって、両眼で約30~40分程度です。
――痛みや術後のケアは?
術後しばらくは切開や創口の治る過程でちょっとチカチカゴロゴロする人もいます。両眼同時に手術を行いますが、術直後から視力が出てきますので、手術当日は眼を触らないように注意していただき、家に帰ることができます。炎症や感染症を抑える目薬の他に、眼圧のコントロールのための飲み薬を処方することもありますが、それはケース・バイ・ケースです。ただ当日は洗顔や洗髪、シャワーは我慢して、できれば早めに休んでいただきたいと思います。
翌日はかならず検査を受けていただきます。そのときの様子で、1週間以内に再検査。その後は1か月後、半年後など、患者さんとお話をして、検査の日程を決めます。首から下のシャワーは翌日から、洗顔や洗髪は数日後からが望ましいですね。インプラントした眼内コンタクトレンズは半永久的に使用できますが、通常のコンタクトレンズと同じように、年に1回は定期健診を受けていただきたいですね。検査を受ける以外、レンズの洗浄やケアなどのメンテナンスはすべて不要です。
――実際にICL(眼内コンタクトレンズ)を利用している方の感想を教えてください。
見え方が自然で、まったく違和感がないと驚く方が多いです。光がにじんだり、ギラついたりすることなく、すっきりと鮮明に見えるそうです。
「旅行を安心して楽しめるようになった」、「万が一の災害のときにも、眼の心配をしなくてよいと思えるだけで気が楽」とおっしゃる方もいます。