2013年にNHKは被災者が故人と再会した不思議な体験談を番組で放送したが、実際、震災後に被災地で多くの人が幽霊を見ているという話がある。
「死んでしまった人の思い出をもう一度追体験したいという被災地の方の切実な想いが、おそらく幽霊談になって現れるのだと思います。それは決して不謹慎ではないし、非常に大切なことだと思います。震災から3年を経て今怪談が流行っているのも、日本人が死者と向きあうためのツールとして江戸時代から続けてきたものが、無意識の共通了解として支持されているのではないでしょうか」(東さん)
芸能界でも最近、心霊アイドルや怪談芸人が増えている。その中で、怪談界のカリスマ的存在、稲川淳二に継ぐと言われているのが、怪談家で芸人のぁみ。テンションの高低を使い分ける軽妙な話術が評判で、テレビ番組で共演したAKB48の指原莉乃から「この人ほんとに怖いんです」と太鼓判を押されたことも。
実際の霊体験や怪談話が得意で、手持ちの話は100以上。全て自ら霊体験者に聞き込みや取材を行った上でのオリジナルだという。怖い話を聞くのも話すのも好きだというが、本人は実は怖がり。そんな彼にとって怪談とは?
「ここでこれが起きるのはありえないという現象や偶然とは思えないタイミングが重なったときとか、そこに過去の因果やストーリーがあった上で起きるところにロマンがあると思っています。怪談界のパイオニアである稲川さんは、怪談を始める前から憧れの人。後に続いて、芸能界でまた怪談を盛り上げて、怪談のムーブメントを起こしたいんです」(ぁみ)
そんなぁみが、10月29日19:00~「渋谷O-EAST」で怪談ライブ「ありがとう ぁみの渋谷怪談夜会」を開催する。ゲストには、スピリチュアル女子大生のCHIE、心霊アイドルのりゅうあ、JJモデルの滝沢カレンなど、異ジャンルの面々がステージに並ぶ。
「実際に霊が見える人たちや、体験談を持っている人たちが集まります。バンドマンやアイドル、モデルさんの実体験を聞く機会ってなかなかないですし、普段の怪談ライブにはない業界の方の話が聞けます。ビジュアル系バンドやモデル、霊能者たちが同じ舞台の上に立つのもレアだと思いますよ」(ぁみ)
心霊スポットロケで映り込んでしまった心霊映像の公開や、本物の霊能者によるお祓いイベントもあるそう。しゃべると、心霊写真が撮れたり機材が故障してしまったという、霊能者に止められている“禁断の話”も披露されるかも…!?
欧米ではハロウィンがあるように、幽霊の季節は秋から冬が実は本番。アニメやドラマ、はたまた美術展や芝居といった芸術鑑賞から怪談芸人による心霊体験ライブまで、自分好みの怪談に浸ってみてはいかがだろうか。