角打ちでは珍しい“座り飲み”も許される雰囲気だ
玄関を入ると目を引くのが、白く四角いタイルがびっしりと張られた角打ち台。
「昔は量り売りで味噌や醤油を商っていたし、豆腐も売っていてね。これは、その当時の流し台だと聞いています。壊すのも大変だから、酒を置いたり、ここで飲んでもらったりに使ってるんですけどね。でも、古いし店中散らかっとって恥ずかしいね」と、はにかむ女将。
「エアコンもなくて、夏は扇風機と蚊取り線香だけ。冬ははっきり言って寒い。でも、天井が高くて古い商家の感じがするし、昔ながらの角打ちって、こんな感じじゃないかと思える。そしてここにこの話好きな楽しい女将がいる。やっぱり、すごい贅沢って気がするね」(40代、デザイナー)
「お寺の多いこの町を散策するのが大好きでね。その途中で、昨年の秋口にこの店を見つけたんです。古くて雑然とした雰囲気で、最初はとっつきにくい気がしたんですが、女将の温かさですぐに馴染めました。お寺の町と角打ち、これが最高なんですよ」(49歳、事務系)
「角打ちが大好きな自分には、そういう店がたくさんある福岡に生まれて幸せ。かなりあちこち回ってるんですが、ここまで徹底して昔ながらの雰囲気の中で飲めるのは、他にないと断言できる。通わせてもらってそろそろ15年ぐらいになるかなあ」(59歳)