冒頭の婚活イベントに話を戻そう。参加人数は150人ほどで男女比は4:6で女性の方が多い。用意された10数卓の丸テーブルには収まりきらず、会場はぎゅうぎゅう詰めの立ち見状態になっていた。年齢層は20?30代が中心だが、2割ほど40~50代も混じっていて幅広い。
服装は全体的に極めてラフで、男性はダボっとしたジャージやスウェット、スニーカーなども多く、ジャケットと革靴でドレスアップしてきた私は浮いてしまったほどだ。中国ではビジネスや結婚式などの場でもラフな服装が多い上、男性は外見に無頓着な人が少なくない。
ステキな女性を探そうとドキドキしながら会場内を物色したが、田舎っぽいファッションに身を包んだほぼスッピンの垢抜けない女性たちばかり並んでおり、早くも不吉な予感。京劇役者のドーランのようにファンデーションやルージュを厚塗りした女性も目立ち、合コンでいうなら「ハズレ」の部類ばかり。申し訳ないが、落胆した。
会場はガヤガヤした落ち着かない空間だったが、26歳の中学校教師と知り合うことができた。
「私自身よりも、親が早く結婚しろってうるさい。良い人がいたら友達になれたらとは思うんだけど……」
表情はどこか浮かず、世間体のために仕方なく来ているようでもあった。この日はイベント色が強すぎて、残念ながら他の女性とゆっくり会話する時間がなく、別の婚活パーティーでリベンジすることにした。
※SAPIO2015年1月号