ライフ

ALSアイスバケツチャレンジ運動とは何だったのかを振り返る

 2014年のネットニュースを振り返るうえで欠かせないのが、夏に流行した「ALSアイスバケツチャレンジ」だ。同年の新語・流行語大賞の「候補語50語」にも選ばれたこの運動は、どんな意味を持ったものだったのか。新刊『縁の切り方~絆と孤独を考える~』(小学館新書)を上梓したばかりのネットニュース編集者・中川淳一郎氏が解説する。

 * * *
「ALS」とは、医療法人・徳洲会の徳田虎雄氏や理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士などが抱える病気で、筋肉の萎縮と筋力低下をもたらし、車椅子での生活を余儀なくされる「筋萎縮性側索硬化症」という難病のこと。この病気の認知度を高めるべく、氷と水の入ったバケツを頭の上からひっくり返し、ヒャー、冷たい! となる様子をSNSで公開するチャリティである。

 なぜ氷水かといえば、ALSが氷水をかぶったような感覚の病気であるため、その様を疑似体験するという説もあれば、元々アメリカでは氷水をかぶるチャリティが存在したという説など様々。

 このチャリティに参加するには、誰かから指名を受ける必要がある。そして、受け入れた場合は24時間以内に氷水をかぶるか、ALS関連団体に100ドル寄付しなくてはならない。氷水をかぶったうえで寄付をしても良い。氷水をかぶった暁には、このチャレンジをする次の3人を指名する必要がある。

 海外ではマイクロソフトのビル・ゲイツ氏、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏など企業トップの他、多くのプロスポーツ選手や芸能人が参加。日本でも数多くの著名人が参加した。

 日本では8月14日頃から少しずつこの話題が登場し始めた。17日に脳科学者の茂木健一郎氏が動画を公開して以降、メディアでも大々的に取り上げられることになる。「3人を指名する」というルールがあるが故に、その後の参加者は爆発的に増加した。日本ALS協会に寄付された金額は、2週間で2747万円に達したという。それまでの知名度と寄付金額の少なさから考えれば、相当成功したキャンペーンといえるだろう。

トピックス

ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン