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ALSアイスバケツチャレンジ運動とは何だったのかを振り返る

 2014年のネットニュースを振り返るうえで欠かせないのが、夏に流行した「ALSアイスバケツチャレンジ」だ。同年の新語・流行語大賞の「候補語50語」にも選ばれたこの運動は、どんな意味を持ったものだったのか。新刊『縁の切り方~絆と孤独を考える~』(小学館新書)を上梓したばかりのネットニュース編集者・中川淳一郎氏が解説する。

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「ALS」とは、医療法人・徳洲会の徳田虎雄氏や理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士などが抱える病気で、筋肉の萎縮と筋力低下をもたらし、車椅子での生活を余儀なくされる「筋萎縮性側索硬化症」という難病のこと。この病気の認知度を高めるべく、氷と水の入ったバケツを頭の上からひっくり返し、ヒャー、冷たい! となる様子をSNSで公開するチャリティである。

 なぜ氷水かといえば、ALSが氷水をかぶったような感覚の病気であるため、その様を疑似体験するという説もあれば、元々アメリカでは氷水をかぶるチャリティが存在したという説など様々。

 このチャリティに参加するには、誰かから指名を受ける必要がある。そして、受け入れた場合は24時間以内に氷水をかぶるか、ALS関連団体に100ドル寄付しなくてはならない。氷水をかぶったうえで寄付をしても良い。氷水をかぶった暁には、このチャレンジをする次の3人を指名する必要がある。

 海外ではマイクロソフトのビル・ゲイツ氏、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏など企業トップの他、多くのプロスポーツ選手や芸能人が参加。日本でも数多くの著名人が参加した。

 日本では8月14日頃から少しずつこの話題が登場し始めた。17日に脳科学者の茂木健一郎氏が動画を公開して以降、メディアでも大々的に取り上げられることになる。「3人を指名する」というルールがあるが故に、その後の参加者は爆発的に増加した。日本ALS協会に寄付された金額は、2週間で2747万円に達したという。それまでの知名度と寄付金額の少なさから考えれば、相当成功したキャンペーンといえるだろう。

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