ライフ

聖夜は恋人同士で過ごすのがナウいという風潮 定着はいつか

 クリスマス、大晦日という年末のイベントを控え、街中が賑わい始めた。華やかなイルミネーションが通りを彩り、幸せそうなカップルたちの表情を照らす。青色ダイオードでライトアップされた東京・目黒川のイルミネーション「青の洞窟」が観客殺到で中止になった(12月7日)ことも記憶に新しい。とにかく街はクリスマス一色だ。

 景気が戻っているとはとても実感できないが、クリスマスだけは別だ。大手企業に勤める30代サラリーマンのA氏は、これまで何度かデートしてきた5歳年下の意中の女性とイブの一夜を過ごす予定だ。ミシュランで星を取ったイタリアンに、外資系有名ホテルのダブルの部屋も予約した。

「この日のディナーをOKするということは、彼女もその後の展開はわかっているはず。痛い出費でしたが仕方がない。食事より、彼女との初めての夜に気持ちがはやってしまいます」(A氏)

 日本では、いつからクリスマスは「恋人たちのもの」になったのだろうか。ターニングポイントは、バブル前夜の1980年代と見られる。

 1980年に松任谷由実(ユーミン)の『恋人がサンタクロース』が、1983年には山下達郎の『クリスマス・イブ』が発表される。その後、『恋人がサンタクロース』は1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』の挿入歌、『クリスマス・イブ』は、1988年からのJR東海「クリスマス・エクスプレスキャンペーン」のCMソングとして大ヒットした。コラムニストの石原壮一郎氏が分析する。

「1980年代前半までイブの過ごし方といえば、せいぜい友人たちとパーティー程度のものでした。しかし、これらの曲によって“クリスマスは恋人同士で過ごすのがナウい”という常識が完全に定着した。

 この時代、特に力強く“クリスマスこそセックスのチャンス”と牽引していたのは『ホットドッグ・プレス』や『ポパイ』といった若者向け情報誌でした。たとえば『ホットドッグ・プレス』の1989年12月25日号の特集は『スーパー・クリスマス・バイブル』。イブにシティホテルを確保するにはどうすればいいか、など具体的なアドバイスにあふれています」

※週刊ポスト2014年12月26日号

関連記事

トピックス

事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト