「来年、イオングループのマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の首都圏3社が経営統合し、3月に共同持ち株会社のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスが設立される。これもドラッグストアと同じで売上規模は約5000億円、業界トップのライフを抜いて日本一に躍り出る」(前出・記者)
さらに、いなげや、ベルク、イオンマーケット(旧ピーコックストア)などの“統合予備軍”が加われば、これまた売上規模は1兆円を超えてくるという。
イオンは国民の日常生活に密接に関わっている「ドラッグ&食品事業」をグループの2大看板に据え、日本一の称号を不動のものにしたい考えだ。
しかし、M&A戦略を拡大しすぎたために、尽きない課題も抱えている。前出の鈴木氏が解説する。
「売り上げの大きさに見合った利益を出せず、経営の効率が悪い。グループ企業数が増えれば、人件費や店舗家賃の見直しなど経費率を削っていかないとなかなか利益が上がりませんが、グループ内の整理が追い付かず、“寄り合い所帯”となっていた感は否めません。
でも、ドラッグストアとスーパーの大掛かりな再編で十分に利益を稼ぎ出すだけの体制が整ったので、今後は規模を利益の拡大に“化学変化”させられるかがカギといえます」
JR貨物がイオンに納める商品だけを運ぶ「専用列車」の運行を始めて話題になっている。それだけイオンは他の流通グループでは決して真似のできない力を握っている。この強大なスケールメリットをどこまで活かしきることができるか。