たとえば、お台場・パレットタウンの大観覧車の料金は1人(4歳以上)920円だが、混むのは週末だけである。これを月額1000円で「乗り放題」にすれば、人件費や電気代などの固定費は変わらないから、利用者が増えることで今よりも儲かるはずだ。
あるいは、現在、映画館の基本料金は大人1人1800円だ。これをシネマコンプレックス(一つの施設に複数のスクリーンがある映画館)の場合、月額2000円で見放題にしたらどうか。
イオンシネマを展開するイオンエンターテイメントは邦画・洋画の名作(旧作)を平日に限り月額1200円、年額9800円で見放題にしているが、私は新作も週末・祝日も一律に見放題にすればよいと思う。仮に映画館の原価が満席時に観客1人300円くらいで、実際はトータルで座席が6分の1ほどしか埋まらないから1800円の値付けになっているとすれば、月額2000円を払ってくれる人は、従来の観客6人分余に相当することになる。
その見放題サービスを「年間パス(満席時は利用不可)」のようにすれば、稼働率はグンと上がるだろう。
そのように考えると、赤字続きの企業や客が入らないレストランなど固定費に悩んでいる多くの事業が「放題ビジネス」をヒントにすることで新たな可能性が開けてくると思う。
※週刊ポスト2014年12月26日号