ビジネス

年末年始投機的になる為替相場 年明けは英米勢の利食い場に

 30年以上の経験を持つ為替のスペシャリストで、バーニャマーケットフォーカスト代表の水上紀行氏は、FX(外国為替証拠金取引)で年末年始の時期に気をつけなければならない相場の動きがあると指摘する。そのポイントとは何か、水上氏が解説する。

 * * *
 年末年始にかけて例年ほぼ繰り返される、これからの相場の基本的なパターンがありますので、この場でお話ししておきたいと思います。

 まず、9月初めからの英米勢の下期のトレーディングシーズンは、11月後半から12月初旬で手仕舞いに入る傾向があります。なぜなら、ファンド筋の本決算は11月末、金融機関の本決算は12月のXmas前となるのが、一般的だからです。

 さらに加えて、11月の第4木曜日が米国の感謝祭となり、これを過ぎるとホリデーシーズン(休暇シーズン)となって、マーケットは一層、新規のポジションメイクはやめ、既存のポジションの手仕舞いが中心になります。

 そして、手仕舞いが済めば、実際に休暇に入るトレーダーは多く、Xmasまでのこの期間、相場はレンジ相場になる傾向にあります。しかし、Xmasが明け、英国のボクシングデー(12月20日)を過ぎると、英米勢の新年度が始まり、年末年始を挟んで投機的な相場になります。これは英米勢は新年度になると、前倒しで収益を獲得しようとするために、新年度に入って早々から猛烈なスタートダッシュを掛けてくるからです。

 昔、ある投機的で有名だった大手米銀が、正月三が日で、ドル/独マルク相場を1000ポイント往って来いをさせて、年間収益目標を達成したといった例もあるくらいで、この時期大変荒れますので、十分な注意が必要です。

 特に、日本勢は、正月三が日明けに、マーケットに戻ってきて、相場に乗ろうとすると、既に仕掛けてきていた英米勢の良い利食い場にされることがありますので、この時期の相場にはあまりのめり込まないことが得策だと思います。

 このように、年末年始の時期は、ある程度動きがパターン化していますので、その点に十分留意してトレードすることが大事です。尚、通常、Xmas直前から当日は、相場が閑散としますが、アベノミクスが始まった2012年のXmasは、ドル/円大幅上昇の千載一隅のチャンスとばかりに、米系ファンドが休み返上で勝負に出た時もありますので、Xmasだからといって常に閑散というわけではなく、ケースバイケースであることは十分ご理解ください。

 しかし、この時の米系ファンド達の貪欲さは学ぶべき点が多かったと思います。つまり、稼ぎ時と思えば果敢に挑み、しかし獲物がいなければ、無駄な賭けには出ずに静かにしている、まさに狩猟民族的なトレーディングスタイルが必要だと思われます。(11月17日執筆)

※マネーポスト2015年新春号

関連記事

トピックス

永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「日本ではあまりパートナーは目立たない方がいい」高市早苗総理の夫婦の在り方、夫・山本拓氏は“ステルス旦那”発言 「帰ってきたら掃除をして入浴介助」総理が担う介護の壮絶な状況 
女性セブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン