高市人気で議席増なるか(時事通信フォト)
新聞社やテレビ局が行う世論調査は、社会の意見をあらわす指標として取り扱われるのが通例だ。一方で、メディアが報じる調査結果は、最近の世論を本当に反映しているのかという疑問も持たれている。それでも、結果が報じられることで影響を受ける可能性は高いのではないか。臨床心理士の岡村美奈さんが、選挙の情勢調査結果が実際の投票行動に結びつくのかについて解説する。
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ここ数年、かつてないほど自民党が盛り上がっている。朝日新聞が行った衆院選情勢調査でも、自民党と維新の与党勢力が300議席を超える勢いと報じられた。高市内閣の高い支持率が追い風になり、支持を広げているらしい。ネット上では「今回の自民党の勢いは本物」という見方が強いが、この勢いのまま支持者らは自民党に投票するのだろうか。
岐阜県可児市の街頭演説に姿を見せた高市早苗自民党総裁。テーピングされた右手の指が痛々しい。遊説会場で熱烈が支援者たちと握手した際、強く引っ張られて痛めたという右手は、関節リウマチの持病があるというから、かなり痛かったはずだ。それでも街頭演説で「大丈夫」と笑顔を見せる高市氏を目にすれば、支援者たちはますます応援したくなる。
高市人気は若い世代や女性層にも広がっている。感情表現が豊かで表情が多彩、周りを活気づけ、笑顔が明るく大人のかわいらしさを印象づける首相は、これまでにはないタイプだ。岸田文雄元首相のように”思います””議論を深めます””しなければならない”という、曖昧な語尾も使わない。用いるのは”でございます”に、”致しました””取りまとめました”という過去系。やったこととやりたいことがわかりやすい。石破茂前首相と違いセンテンスが短く、話し方のテンポもいい。内容によってスピードと声音を変えるので聞きやすい。今の世代は令和のヒットソングでもわかるように、歌詞は短くテンポアップし、歯切れのよいインパクトのある言葉を好む。YouTubeやTikTokなどでテンポのよい話しを聞きなれたネット世代の耳に、彼女の話は届きやすい。
その点、立憲民主党と公明党がタッグを組んで作った新党、中道改革連合はその逆をいっている。支持が広がらず、伸び悩んでいるのもわかる。何から何まで時代遅れ、選挙をめぐる現状の変化や環境への理解が不足しているのだろう。彼らが狙う有権者層はおそらくこれまで通りのシニア層。”中道”という古臭いネーミングに、党首は話し方がもったりした野田代表。新鮮さも勢いもない。幅広く支持を集め、力をつけていく新党は若い世代が台頭し、支援者支持者も若い世代が増えているというのに、時代に逆行している。オールドメディアで生きてきた彼らは、そこから抜け出せない。
