東京拘置所(時事通信フォト)
「息苦しい」──1月23日午前1時半ごろ、東京拘置所に収容されていたひとりの死刑囚が体調不良を訴えた。救急搬送されたが午前4時ごろ死亡が確認。死刑執行を待たずに獄中死した。
この男は小日向将人死刑囚(56)。23年前の2003年1月、群馬県前橋市のスナックで一般人3人を含む4人を殺害した罪などに問われ、死刑が確定していた。管轄する法務省によると、心筋梗塞の可能性があるという。
この事件は「前橋スナック銃乱射事件」と呼ばれ、当時大きな注目を集めた。深刻な社会問題となっていたヤクザ同士の抗争が引き金となったから、という背景もある。
2001年8月、東京都葛飾区で指定暴力団「住吉会」は幹部の葬儀を執り行っていたが、指定暴力団「稲川会」のヒットマンが紛れ込んでおり、参列者2人を射殺。この報復として、小日向死刑囚が所属していた住吉会の3次団体は苛烈な襲撃を行う。その果てに、スナック銃乱射事件が発生した。
被害者はヤクザとは無関係の一般人。実行犯やその裏にいる組織に対し、糾弾する声が多くあがった。
逃亡生活を経て逮捕された小日向死刑囚は、否認や黙秘を貫く多くのヤクザとは対照的に、事件や関係者について詳細に自白した。しかし、1審の前橋地裁から死刑判決は覆らず、2009年7月に死刑が確定。しかし16年を超えても死刑が執行されることはなく、2024年には自著『死刑囚になったヒットマン』(文藝春秋)も出版した。小日向死刑囚と最近まで面会を重ねていた、進藤龍也牧師が話す。
