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某大手牛丼店の従業員 持ち込みペットボトルのお茶を製氷機へ

「ブラック企業」という言葉が広く認知されるようになって久しいが、果たしてその労働環境はどれだけ“ブラック”なのか。実態に迫るべく『女性セブン』の記者・A(30代)が大手牛丼チェーンの店員として働いてみた。忙しいことで知られる牛丼店の営業中の様子を以下にリポートする。

 * * *
 会計時もマニュアル通りの挨拶をしなければならないが、忙しさのあまり忘れてしまうことがある。すると20代半ばと思われるクルーのKさんがどんなに忙しい時でもわざわざ寄ってきて厳しく記者を叱った。

「しっかりマニュアル通りにやってください!」

 これ以上“鬼教官”に怒られないように、次からマニュアル通りに実行する。客が食べ終えた丼を下げてから、レジに向かう。これなら問題あるまいと思っていたが、

「お客さまを待たせてはダメじゃないですか! マニュアルはあくまでもマニュアルです。お客さまのことを優先に考えなければいけないんですよ」(Kさん)

 これは体育会のしごきなのだろうか。それとも単に私のことを嫌っているのだろうか。いずれにしても、忙しいなかで年下の先輩からキツく怒られ続けるのはかなりシンドい。

 立ちっぱなしで働き続け、4時間が経過した頃、1時間の休憩がもらえた。この牛丼チェーンでは、働いた時間に応じて独自の基準で定めた休憩時間を取らなければならないことになっている。しかし、先輩たちの話によれば、実際には、止めどなく客が来店するときなどに休憩を取れず、8時間以上連続で働き続ける人もいるという。

「そういえば忘れていたけど、いつでも水分補給してね」

 今さらそう言うのはクルーの1人で店長格の30代と思しきTさん。普通は客に提供するお冷やを飲むのだが、彼らはお茶を入れたペットボトルを持ち込み、製氷機の中にそのまま入れている。そこで作られた氷はもちろん、客に出すお冷やに入れられる。マニュアルには記されていないが、常識的に考えて不衛生ではなかろうか。

※女性セブン2014年12月25日・2015年1月1日号

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