酒店に隣接して角打ちが営業されている
店からは、全国に約3万社はあるという稲荷神社の総本宮・伏見稲荷が近い。
「お稲荷さんの御用達なんですが、僕らのためにもうまいお神酒を用意してくれてるんですよ。日本酒じゃなくて、タカラ焼酎ハイボールなんだけどね。甘くなくてさっぱりしてるのがいい。ママちゃんの作る料理にもよく合うし。大人の飲む酒だといって、ここの常連はみんな強烈にこれが好きな人間ばっかりだね」(60代、職人OB)
3人で来て、1ケース(350ml缶24本)飲んだといった伝説も数多く残されている。
そんなお神酒の缶が並ぶカウンターの向こうで、新太郎さんが幸せそうにつぶやいた。
「職業も年齢もみんな違うのに、このカウンターでは誰もが横一列で、平等に飲んでいるんですよ。威張る人はいないし、みんな温かい人ばかり。いい意味で不思議です。その上、いろんな人がいろんな話をしてくださるので、物知り博士になりました。自分はお客ではないのだけれど、毎日一緒に楽しませてもらってます」