国際情報

韓国財閥3世 28才入社後、平均3年の31才で役員となる

 大韓航空前副社長のチョ・ヒョナ(40才)が起こした「ナッツリターン騒動」で韓国財閥の存在が一躍注目の的となっている。

 事件はこうだ。2014年12月5日の深夜0時米ニューヨーク発、韓国仁川空港行きの大韓航空086便のファーストクラスに搭乗していたヒョナ氏は酔っ払いながらくつろいでいた。そんな中、女性客室乗務員がマカダミアンナッツを袋のまま出したことで「サービスがなっていない!」と激怒。罵声を浴びせた上で、すでに滑走路に入っていた同機を搭乗口に引き返させ、事務長を飛行機から降ろした。

 他にも韓国財閥の子供たちが巻き起こした事件が頻発しており、財閥子息の非常識ぶりが日々報道されている。なぜ、韓国の財閥一族はこうも問題児ばかりなのか。コリア・レポート編集長の辺真一氏が語る。

「例えば大企業のオーナーが亡くなった場合、日本では、子息が引き継ぐのは財産だけで、経営権までは引き継ぎません。

 でも、韓国ではこの経営権まで継がせてしまうんですね。韓国財閥は一族経営なので、血の繋がりだけで後継者になれてしまうんです。しかも、一般社員が役員まで上り詰めるのには、早くても20年ほどかかりますが、財閥子息はわずか数年で役員になってしまう。なんの苦労もなく親族がポストを与えてくれるので、仕事で苦労するということを知らないんです」

 韓国の全国紙『ハンギョレ新聞』が主要15財閥を調査したところ、財閥3世たちは、平均すると28才で入社し、31才で役員になっていることが判明した。入社から役員登用までわずか3年である。

 知識も経験も、まるで足りない人間が会社の経営に携わっているのだから、不祥事が連発するのも無理はない。

「幼少期の教育も問題で、財閥子息は“周囲はみな召使い”というような環境で育てられるので、傍若無人な振る舞いになりやすい。

それに、韓国は学閥やコネ社会なので、財閥子息ともなれば、“友達になっておけば、将来、あの会社に入れるぞ”と、学校でもどこでも、周囲の人間がすり寄ってくるんです。下手に気分を害して嫌われようものなら、自分の将来も絶たれるとあって、誰も注意したり、悟らせたりしない。そうして、彼らはますます人間的に欠落していくわけです」(前出・辺氏)

 韓国では、主要10財閥が国内の年間GDPの75%を占めており、財閥一族は確かに経済的発展には寄与している。だが、その代わりに、モラルや道徳観など、金で買えないものは手放してしまったのかもしれない。

※女性セブン2015年1月8・15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン