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悪文の代表のような「資本論」を分かりやすく説明している本

【書籍紹介】『いま生きる「資本論」』佐藤優・著/新潮社/1300円+税

【選者】田原総一朗 ジャーナリスト、早稲田大学特命教授。近著に『日本人と天皇 昭和天皇までの二千年を追う』(中央公論新社)。

 マルクスの言うプロレタリア革命は成功したと僕らの世代は信じていたけれど、あんなものは革命でもなんでもなかった。結局、ソ連の共産主義は崩壊して冷戦が終わり、もう革命は起きない。

 そのため、革命を恐れて労働者を大事にする必要がなくなってしまい、労働者重視の姿勢を持つ資本主義は終焉を迎え、今や労働者と経営者の格差は広がるばかりだ。

 マルクスの『資本論』は、資本主義にどんな問題があったのか検証するため、今新たに世界中で読まれている。難しくて面倒くさくて悪文の代表のような『資本論』を著者が非常に分かりやすく説明しているタイムリーな一冊だ。

※SAPIO2015年2月号

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