国内

大正大学 全裸教員出現の非常事態収束させた危機対応力分析

 今月初め、都内の大学構内で男性教員が全裸になっている写真がネット上を賑わした。教員は処分されたが、大学当局の迅速な対応についてコラムニストのオバタカズユキ氏が賞賛を贈る。

 * * *
 マクドナルドが異物混入の件で緊急記者会見を開いて「なんだそのヒトゴトみたいな態度は」とヒンシュクを買っていた頃、東京・西巣鴨の大正大学が見事な不祥事対応を行っていたので書き残しておきたい。不祥事はテレビでも報道されていたが、注目すべきはそれに際しての大学の動きのほうだ。

 私がコトを知ったのは、1月8日の夕方。仕事の一服にツイッターを覗いてみると、両手で自分の陰部を申し訳なさそうに隠す中年男の全裸写真が出回っていた。現場は大正大学キャンパス。巣鴨の地蔵通りをずーっと歩いて行った先にある同キャンパスは、狭い敷地に高層の建物が密集している。

 写真の全裸男は建物と建物の間の通路上で、その場に駆けつけた大学教職員と思われるスーツ姿の男たちに取り囲まれていた。すぐ横にはケータイをかけながら足早に建物内へ向かう年輩男性の姿もあり、ただならぬ事態に緊迫する現場の空気がよく表れていた。

 いったい何がおきたのだろうと、ツイッター内検索の窓に「大正大学」と入れてみたら、同じ全裸写真が大量リツイートされていた。「露出狂現る!」「やばすぎ!」といった驚きの声に混じって、「全裸男は大正大学の教授か」「女子学生の命令で全裸土下座?」などの憶測も出てきている。

 この大学とは去年ゲスト講師でお邪魔した縁もあり、これからどうなることやらと気が揉めた。すると、夜の8時ごろに大学当局が公式HPで、<本学非常勤講師による不適切な行動について>と題するニュースを発信した。以下にその一部を引用する。

<本日午後3時ごろ、本学キャンパス内において、本学の非常勤講師(男性、55歳)による公序良俗に反し本学の秩序を著しく乱す不適切な行動がありました。>

<この件に関して、本学は厳正なる対処をすべく、直ちに本人から事情聴取を含む調査を開始しましたが、本人が深く反省し、責任を感じて退職願を提出してきましたので、本学は本日これを受理しました。>

 全裸の経緯や理由など具体的には記されていなかったが、コトがおきてからまだ5時間ほどしか経過していない。なのに、もう問題をおこした非常勤講師の退職願いが受理され、マスコミが騒ぎ始める前に大学発のニュースを流している。文末には学長の氏名をビシッと明記。すごい初動のスピードだ。大正大学のイメージは真面目でおっとりとした都会の仏教系大学というものだったが、その危機対応能力の高さにびっくりした。

 だが、大正大学のすばらしき対応能力は、その翌々日に<本学非常勤講師による不適切な行動について(報告)>と題するニュースが流されてより鮮明になる。浄土宗の僧侶でもある勝崎裕彦学長が直々に綴ったものだと思うが、およそ1300字の報告文が実に読ませるのである。<まず、今回の出来事に関する事実関係を記述いたします。>という書き出しで、騒動の流れを説明。一部引用しよう。

<当該講師は本学女子学生(21歳)と学内で出会い、話をしているうちに口論となり、「私に信じてほしいならば、ここで裸になってくれ」と要求されたということです。
 当該講師は独身で半年ほど前よりこの学生と親も同意の上で生活をともにしていました。
 この学生は日頃より情緒不安定な面があり、当該講師の言葉によると、感情が高まると突発的にどんな行動を取るか分からず、彼女の言う通りにしないと収まらないということを経験的に知っており、その言葉に従ってしまったということです。その際、衣服は学生が持ち去ってしまったので、当該講師はしばらくそのままの状態でおり、他の学生の目にするところとなりました。>

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン