ライフ

高須院長 タトゥーやリスカの消し方を解説「和彫りは大変」

タトゥーの消し方について語る高須院長

 高須クリニックの高須克弥院長が世の中のさまざまな話題に提言していくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、若者たちの間で当たり前となりつつある「タトゥー」についてお話をうかがいました。

 * * *
──近ごろは、日本でも若者を中心にタトゥーが一般的になりつつあります。しかし、一方では軽い気持ちでタトゥーを入れて、あとから除去したいという人も多いと思います。実際、高須クリニックにもタトゥーを消したいという患者さんは多く来ているんですか?

高須:確かに多い。いわゆる洋彫り、タトゥーといわれるやつだったら、比較的皮膚の浅い場所に色素が入っているケースも多くて、それだと色素レーザーで消すことができるよ。

──シミ取りレーザーのようなものですよね。

高須:黒一色の小さなタトゥーとかだったら、カーボンだけを分解するレーザーで消せる。濃い黒のタトゥーは一見、消しにくそうに見えるけど、意外とレーザーで綺麗に消えるんだよ。黒がしっかり出ているということは、それだけ皮膚の表面に近いところに墨があるということだからね。逆に青っぽくなって、ちょっと薄く見えるようなタトゥーのほうが消しにくい。それだけ皮膚の深い部分に墨が入っているってことだから。

──そうなるともうレーザーで消すのは無理なんですか?

高須:そうだね。墨が入っている部分を切り取って縫い縮めるか、別の場所の皮膚を移植するしかない。和彫りでも筋彫りの状態だったら、レーザーでも消せるけど、色が入っちゃうともう無理。

──ちなみに、タトゥーを消しにくい体の部位ってあるんですか?

高須:胸と下腹部、あと二の腕は、ケロイドになりやすい部位だから、タトゥーの除去は難しい。特に二の腕なんかは入れている人が多いけど、基本的に皮膚を移植しなきゃ消せない。

 あと、リストカットの痕を消すのも大変なんだよ。1本や2本の傷痕なら、縫い縮めることも可能だけど、大抵は何本もあって、しかも結構広い範囲に痕が残っていることが多い。そうなったら、もう植皮するしかないよね。とりあえずリストカットだということはわからないようになって、ぱっと見た感じでは火傷の痕みたいになる。まあ、どうせリストカットなんかしても死ねないんだから、絶対にやらないほうがいいと思うよ。

──レーザーや皮膚移植のほかに、タトゥーを消す方法はあるんですか?

高須:綺麗にならなくてもいいから安く入れ墨を消したいっていうなら、焼きごてで焼いちゃうっていう方法もある。でも、皮膚が完全に死んじゃうから当然オススメはできないし、そういう消し方だと、仕上がりがあまりにも不自然で、入れ墨が入っていたことがすぐバレちゃう。綺麗に筋彫りの柄通りにコテで焼いた痕が残っている人とかいるからね(笑い)。

──龍の形をした火傷痕みたいな。

高須:見事な代紋の火傷痕を持ってる人を見たこともあるよ(笑い)。それなら綺麗なタトゥーが入ったままのほうがマシだと思うけどねえ。

──でも、タトゥーがあるといろいろと入れなくなる場所が出てくるんですよね。聞くところによると、若いころにタトゥーを入れた人が、子供が生まれてプールや海水浴場に連れて行こうと思っても、水着になれない。そういう理由でタトゥーを除去する人も多いようです。

高須:それってでも、日本だけのローカルルールだよね。アメリカでは「海水浴場でタトゥー禁止」なんてどう考えてもあり得ない。アメリカ海軍なんかもみんな入れてるしねえ。自衛隊の場合は、タトゥーがあると入れないみたいだけど。

──スポーツジムなんかでも、日本では「15cm以上のタトゥーは禁止、15cm以下でも隠さなくてはならない」なんていうルールがあったりしますが、海外では当然関係ないですもんね。

高須:今は「入れ墨=アウトロー」「入れ墨=暴力団」っていうイメージがあるから、難しいのかもしれないけど、もともと入れ墨は日本の文化だからね。魏志倭人伝には、日本人が入れ墨をしていたっていう記述もあるし、江戸時代には粋なものだったわけでしょ。海外の人には和彫りが人気だっていうじゃない。日本独自のタトゥー禁止のローカルルールは、別になくてもいいんじゃないかと思うけどね。

 * * *
 高須院長の説明の通り、やはりタトゥーの除去はそう簡単なものではない模様。もちろん、日本の文化として重要な存在であることは間違いないが、残念ながら現時点で日本社会がタトゥーを許容していないのも事実。あとで消したくなって大変なことにならないように、軽い気持ちでのタトゥーはやめといたほうがよさそうだ。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

 昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン