「ホンダには次期社長候補と目されていた鼻っ柱の強い技術系役員もいますが、八郷氏はどちらかというと人柄がよく温厚な印象。
伊東氏は開発畑での接点も多く、何でも言いやすいタイプの八郷氏を後釜に据えることで、しばらく院政を敷くのではないかという見方もできます」(前出・福田氏)
八郷氏の趣味は読書とクルマの模型作り。「テスト走行が許されている自社開発の燃料電池車(FCV)で愛妻と秘湯巡りをすること」(福田氏)も楽しみのひとつだとか。
2015年3月期は自動車メーカー5社が過去最高の営業利益を見込む中、ホンダだけが4%の減益に沈みそうで、いわば“独り負け”の状態。いまこそ迅速な経営判断や社内の求心力を高めるリーダーシップが欠かせない局面といえるが、果たして八郷氏の手腕はいかに。