ライフ

抗コリン作用持つ花粉症薬 認知症のリスク高めるとの研究結果

 東京では2月11日にスギ花粉の飛来が発表された。環境省によれば東日本を中心に飛散量は例年と比べて「かなり多くなる見込み」と予想されている。

 飛散量がピークとなる3月上旬に向けて憂鬱な日々が続く中、花粉症を患う人にとって気掛かりな研究論文が発表された。医療経済ジャーナリスト・室井一辰氏が説明する。

「花粉症薬の一部には『抗コリン作用』と呼ばれるはたらきをもつ薬がありますが、その薬を長期にわたって服用していると、認知症のリスクが高まるという研究結果が、米国医師会が発行する国際医学雑誌『JAMAインターナル・メディスン』のオンライン版に1月26日に掲載されました」

 論文は米ワシントン大学の研究者を中心とするグループがまとめたもので、認知症を発症していない65歳以上の男女3434人を対象に、2年ごとに健康状態を調査した。

 平均7.3年間の追跡調査を行なったところ、約2割にあたる797人が認知症を発症。研究グループは、「抗コリン剤」を常用する人とそうでない人で認知症を発症するリスクに差が出るかを検証している。

「論文では調査期間中に対象者が薬を服用した量と期間のデータを解析しています。

 その結果、10年間で抗コリン剤を服用したのが『91日以上1年未満』の人は認知症リスクが1.19倍に、『3年以上』の人では1.54倍に増大するとの結果が得られたとしています」(室井氏)

※週刊ポスト2015年3月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン