もちろん、新たな任天堂ファンが増えることは提携するDeNAにとっても願ったり叶ったりといえる。いまのところDeNAはネットワーク構築や顧客情報の分析など裏方に徹し、ゲームコンテンツの開発は任天堂が主導権を握る予定だという。
では、このまま両社の相乗効果が最大限発揮されれば、資本関係の強化や将来的な統合もあり得るのだろうか。
「お互いが足りない能力を補う良好な関係は築けても、統合や合併となると話は別。DeNAにとって任天堂の単なるシステム部門になるならメリットはないはず。しばらく仕事を発注し合う出資関係を維持するのではないか」(大手ゲームメーカー幹部)
コンテンツの新陳代謝が激しく、課金による安定した収益モデルの確保も難しいスマホゲーム市場。儲けは二の次とはいえ、任天堂がどこまで古豪としての矜持を保つことができるか。