【駿府城(静岡・静岡市)】晩年期
豊臣秀吉に仕えていた頃の1586年に、45歳の家康が移り住んだ。4年後、秀吉によって関東に国替えされたが、江戸幕府を開き将軍職を2代・秀忠に譲ると、1607年、家康は“隠居城”として居住した。
「大御所政治を敷くためといわれますが、人質時代の懐かしい場所ということと、西方に集まっている外様対策を万全にするため、という思いもあったのでしょう」(松平氏)
◆松平定知(まつだいら・さだとも):1944年生まれ。早稲田大学卒業後、NHK入局。『19時ニュース』『その時歴史が動いた』など数々の看板番組を担当。2007年にNHKを退局し、現在は京都造形芸術大学教授を務める。武将の智略について考察した『謀る力』(小学館新書)など歴史についての著書多数。
撮影■佐藤敏和
※週刊ポスト2015年4月17日号