世界三大情報部と言われるアメリカのCIA、イギリスのMI6(現在のSIS)、そしてイスラエルのモサドは、各国が置かれたそれぞれの事情から、情報機関の創設にいたった。
まずアメリカのCIAは、1947年に創設された。アメリカには、前身となったOSSという諜報機関がすでにあり、さらに海軍と陸軍の情報局が別にあった。当時の大統領トルーマンは、第二次大戦終結後すぐに、米ソ冷戦時代が来ることを予見していた。そこで、冷戦時代に備えて情報機関の統合を行う必要があると考え、CIAを創設した。現在のアメリカは、15の情報機関を抱えている。それらのトップがNSCの会議に出席する。
さて、OSSには、後にCIA長官となったアレン・ダレスやビル・ケーシー、私のオイルマン時代の友人で先輩でもあるジョン・シャヒーン、後にCIAのカウンターインテリジェンス部門を牛耳ったジェームズ・アングルトンら錚々たる面々が属しており、彼らがCIAの中心となった。彼らの指揮の下で働いたエージェントもかなりいた。つまり、出場選手はすでにロッカールームに控えており、CIAの創設と同時に運動場に出るだけだったのだ。
これが、ロッカールームで控えている選手がひとりもいない日本とは全く違う。
※SAPIO2015年5月号