ライフ

大前研一氏 「若者は半年後に達成可能な具体的目標を持て」

「若者の○○離れ」といったニュースに象徴されるように、近年、若者の“低欲望化”がしばしば話題となっている。こうした現象について大前研一氏は、「若者たちがあまり欲をもたなくなっていること自体は、ある意味で合理的な選択だと思う」と一定の理解を示す。が、一方で「大志なき若者」を憂いている。若者はどう行動すれば良いのか? 『低欲望社会─「大志なき時代」の新・国富論』(小学館)を上梓した大前氏が、未曾有の難題への答えを解き明かす。

 * * *
 若者に大志を育てるにはどうすればよいのか。根本的な処方箋は、今の日本を覆っている“予定調和の怠惰な共産主義的社会”を変革していくしかない。

 その方法は、たとえば異質な人たち──移民や留学生をどんどん受け入れて競争を活発化させることだ。そうすれば、同質社会の中で弛緩した日本の若者たちの間に、今の自分の能力では食べていけない、もっと努力しなければ路頭に迷うという緊張感と危機感が生まれ、少しは競争心を抱くようになるはずだ。

 実際、大学の授業を英語で行なうようにしたフィンランドでは、ヨーロッパ中から学生が集まってきて競争が激しくなった結果、刺激を受けて起業する若者が急増し、経済が活性化している。

 また、拙著の中でも書いたが、日本には「かわいい子には旅をさせよ」という格言が昔からある。親が、学校、先生、塾というものに子供を全面委託するのをやめて、世界に送り出すくらいハングリーな教育に転換すべきだと思う。

 一方、若者が自分自身でやるべきことは、具体的で半年後に達成可能な目標を課して行動することだ。抽象的で誇大な目標は行動を生まない(=結果が伴わない)から無意味である。期間は3か月では短いし、1年では長すぎる。半年間そのことだけに集中して自分を追い込み、結果が出たら、その時点で次の目標を課して、また結果を出していく。人生というのは、それを積み重ねていった者が勝つのである。

 とにもかくにも、このまま「低欲望社会」が進行したら、“斜陽”日本は二度と立ち上がれなくなってしまうだろう。明治時代は輝ける欧州に、そして戦後は豊かなアメリカに「追いつき追い越せ」とやってきた日本が、中国の台頭を妬むかのような行動・発言を繰り返すのはみっともない。若者の「高欲望化」を促す取り組みからスタートして、再び日本全体が「大志」を共有する作業に取りかかることが急務である。

※週刊ポスト2015年5月22日号

関連記事

トピックス

人目を忍ぶような変装姿で帰途に就く篠田麻里子
【スクープ】篠田麻里子「半年も2才の娘と会えてない!」夫と泥沼全面戦争
女性セブン
28年ぶりに『NHK紅白歌合戦』へ出場する篠原涼子
篠原涼子、28年ぶりの紅白歌合戦出場で注目集まる前回超えの「大胆衣装」
週刊ポスト
熟年離婚していた山川豊
山川豊「自分はワンルーム、妻は豪邸」演歌界屈指の人格者、太っ腹な熟年離婚していた
NEWSポストセブン
サッカー日本代表選手 躍動を支えるパートナーとの幸せあふれるショット
サッカー日本代表選手 躍動を支えるパートナーとの幸せあふれるショット
女性セブン
秋篠宮の胸中とは(時事通信フォト)
秋篠宮さま、誕生日会見で小室さんに関して「ゼロ回答」 眞子さんとの溝は修復困難か
女性セブン
元気いっぱいの駅前チアガールは、毎週月曜と木曜の朝に新宿駅や池袋駅、後楽園駅や新橋駅、横浜駅などで活動する
朝8時の駅前チアガール 誰に頼まれたわけでもなく通勤・通学の人々を励ます
週刊ポスト
長井秀和が語る、創価学会芸能部「芸能人は客寄せパンダのような存在です」
長井秀和が語る、創価学会芸能部「芸能人は客寄せパンダのような存在です」
女性セブン
玄関のインターフォンにうつる配達員男性
《告発》「ひとめぼれしました…」60代『出前館』配達員男が女性宅ポストに恐怖の手紙 被害者女性が耳を疑った運営元の対応
NEWSポストセブン
アントニオ猪木さん
アントニオ猪木さん、遺骨をめぐり“親族バトル” 娘は「猪木家の墓」への分骨を拒否
女性セブン
ヒロミと松本伊代
松本伊代「落とし穴」で骨折の重症 収録中に「人間ロケット」花火1万本で大やけどを負った夫・ヒロミの“沈黙”
NEWSポストセブン
九州場所
大相撲九州場所 土俵際の溜席に毎日座る話題の「着物美人」何者なのか本人直撃してみた
NEWSポストセブン
ポーズを決める丸山容疑者
「女性を見極めるポイントは尻、足」妻殺害容疑の長野県議“女好きインタビュー”の全貌 逮捕後に即削除
NEWSポストセブン