国際情報

110mハードル五輪王者・劉翔氏引退 15年間で100億円稼いだ

 2004年に行なわれたアテネオリンピック男子110mハードルで優勝し、アジア人では初の五輪陸上競技短距離種目の金メダリストで、4月7日に引退表明した劉翔氏が15年間の競技人生で稼ぎ出した金は約5億3500万元(約100億円)に上ったことが分かった。

 中国人のスポーツ選手のなかでは、テニスの李娜氏の4億5000万元より多いものの、米国のNBAで活躍したバスケットボール選手の姚明氏の20億元には遙かに及ばなかった。

 劉氏は自身の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の自身の公式アカウントで声明を発表。「この2年余り、苦しいリハビリを続けて再出発を夢見てきた。情熱は残っているが、私の足はもう高度な練習や試合に耐えることができない」と引退の理由を説明した。

 劉氏はアテネ五輪で金メダリストの栄冠を勝ち得たあと、2006年のローザンヌ国際で12秒88の世界記録で優勝。その後も出場した5大会で優勝し、2008年8月、地元の北京五輪に臨み、五輪連覇が期待されたが、右脚アキレス腱負傷で棄権。2009、2010年のアジア大会では優勝したものの、2012年のロンドン五輪も北京五輪同様、アキレス腱の負傷で棄権を余儀なくされた。劉氏は2年間、リハビリ生活を送り、引退を表明した。

 劉氏の最盛期はやはり2004年のアテネ五輪から北京五輪までの4年間で、2007年にはコマーシャルやスポンサー収入が1億6000万元と膨れあがり、北京五輪直前には14のコマーシャルに出演した売れっ子ぶりだった。

 ところが、北京五輪では1次予選敗退という期待はずれの結果に終わったため、中国内で激しい「劉翔バッシング」が起きた。これには、中国で「黄金の昇り龍」や「13億人の象徴」などと呼ばれ、巨額の報酬を得ていたとの妬みも背景にあるようだ。

 劉氏が勝てなくなると、収入も激減し、ロンドン五輪の2012年には2160万元と最盛時の約8分の1まで落ち込んだ。

 劉氏は国政助言機関・全国政治協商会議(政協)委員も務めているが、今後の身の振り方について、微博で「中国の青少年スポーツの発展と国民の健康増進のためにつながる仕事を行い、力の及ぶ限り、中国の陸上が国際舞台で影響力を発揮するよう推し進めたい」と述べて、コーチなどでトラックに戻るか、あるいは中国のスポーツ機関の要職について政治的な立場で貢献する意向を示唆している。

関連キーワード

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン