芸能

野際陽子 年取ることは自覚しつつもババくさくなるのはイヤ

老いに抵抗する日々について語る野際陽子

 知的なキャリア女性から上品で意地悪な姑役、明るくさわやかなCMまで、コミカルな役もシリアスな役も多彩にこなす女優・野際陽子さん(79才)。プライベートが気になるが、この春買い求めたという、若草色のセーターとロングスカートでにこやかに現れた彼女は、意外にも、こんな言葉で老いと闘う日々を語り始めた。

 * * *
「私の柔軟戦争」と名をつけて、老いに抗う一念発起の体操を始めたのが70才になる頃。数年間真面目にやっていたら、スルメのように固まっていた筋も徐々に伸び、ふにゃふにゃだった筋肉はいくらか硬くなるなど変化が出てきました。

 でも、ちょうどその頃、愛犬にかわいい子犬が生まれて、今は犬の世話に忙しいとか言い訳をして、体操はしばしお休みに。そうして気がつくと、加速度的に老いは進行していたんですよね。筋肉は衰えるし、姿勢は悪くなるし。それで、ときどきはっと気がついて、あ、いけない、背筋を伸ばさなきゃって…。

 同じ頃、ガラケーからスマホに変えたのですが、スマホに歩数計がついて、何の気なしに見たら1日でたったの67歩しか歩いてなかったんですよ(笑い)!!

 こりゃ、いかん!と思って本気で体操することにしたんです。ついでに好きな絵を描いたり、文章も書いたり、恥もかいたり。まさに、やけっぱちで70代後半、後期高齢者の仲間入りをしました。

 ところが、今や80才目前。年は誰もが自然に取りますが、たぶん私は往生際が悪くて、ババくさくなるのは嫌だと、どこかで思っているんでしょうね。だから体や頭を使ったり、顔は自己流のしわ予防をしたりして、ちょっと抵抗しているんです。

 もともと私は、先のことなど何も考えないで生きてきたんです(笑い)。仕事は嫌いじゃないから続けてきただけで、とくに頑張ってきたわけでもないんですよ。

 40代の頃の私は「生活女優」だったんです。生活のためにどんな仕事でもお引き受けしよう、いただいた仕事は断らない、と自分に言い聞かせていました。それでも仕事の間が空いて、「今後の生活は大丈夫かな」と思うこともあったんですが、そういう時にまた違うタイプの仕事をいただいて。運がいいんです。

 でも、今だって来年のことはわからない、パタッと仕事がなくなるかもしれない、という思いはあります。

※女性セブン2015年6月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン