倍率数百倍は当たり前のテレビ・新聞の入社試験だが、その狭き門をくぐり抜けて政治家の子女たちが数多く採用されている。
そんな言い方をすると「どうせコネ入社ばかりなんだろ?」という声が聞こえてきそうだが、彼らがパスした理由が「コネ」か「実力」かはわからない。
たとえば故・中川昭一氏(元財務相)と中川郁子(ゆうこ)・自民党衆院議員の長女はフジテレビの報道記者。父の存命中に入社した彼女は「局内でも指折りのスクープ記者」として知られている。彼女をよく知る報道部関係者はこう話す。
「入社間もなくの頃、数百億円規模の詐欺事件の取材を任された彼女は数日間かけて疑惑の核心を掴み、フジの独自スクープになった。その報道で報道局長賞を受けています」
一方で、「政治家の息子や娘がいると、政権批判や政治家スキャンダル追及で気を遣わなければいけない」(同前)という声もある。
「さすがの中川さんも、お母さんと門博文・自民党衆院議員の『不倫路チュー』が発覚したときは参っていましたね。騒動直後、“お騒がせしてすみません”と局内で頭を下げて回っていた。こちらも拳を振り上げて強硬に追及する気にはなれなかった」(同前)
※週刊ポスト2015年6月19日号