同チャレンジには「善意を強制している」といった批判も多くあがったが、反響は非常に大きく、米ALS協会には約1か月間に前年同期の30倍近い73億円もの寄付が集まったという。日本ALS協会もこう説明する。
「今はブームは終息しましたが、例年600万円ほどの寄付額が、昨年は3793万円にまで伸びました」
では、「おっぱいコーラ」はどのようなルールなのか。ジェマさんに聞いた。
「私たちはみなさんに、それぞれ希望するところに寄付してほしいと呼びかけているの。私たちが直接お金を扱うことはないから、どのくらい寄付があったかはわからないし、誰かに強要するものでもないわ」
効果はどれほどのものなのか。日本の乳がん検診の啓発運動を行なっているNPO法人J.POSHに尋ねてみたが「寄付が増えている事実はまだ確認できていない」との回答だった。
大きなブームとなっている一方で反対の声も少なくない。米国の乳がん研究財団は「乳がん患者を貶めるべきではない。このチャレンジからの寄付は受け付けない」としており、フェイスブックでは乳がん手術を受け乳房を失った女性から抗議の声もあがっている。 ジェマさんはこう語る。
「すべての女性が検査を受けているわけではない。このチャレンジがきっかけになって検査を受ける人が少しでも増えれば、そして命を失う人を少しでも減らせたら、十分価値があるんじゃないかしら」
※週刊ポスト2015年6月26日号