汚れ仕事を押しつける厚労省の役人や正規職員はノンキャリアでも40代で年収1000万円前後が当たり前。一方の非正規はストレスフルな業務をこなしても、期間がくれば冷酷に切り捨てられる。企業のリスクマネジメントに詳しい関西学院大学教授の前田祐治氏がいう。
「非正規の大量採用・大量雇い止めを繰り返すと、仕事の熟練度はもちろん、組織への帰属意識、忠誠心も高まりません。個人情報を扱っている以上、年金機構の組織運営は、リスク管理の観点から大いに問題があるといえます」
海外では短期間で解雇されることは当たり前だが、その分、会社への忠誠心が高まらず企業秘密を持ち出す事件も多い。
かといって正規職員をただ増やせば、またそれを利権化してしまうのが役所組織である。まず、高給を取ってのんびりしている数多くの年金役人たちをきちんと働かせることが必要だ。
※週刊ポスト2015年6月26日号