2009年の暮からのギリシャ危機に端を発し、2010年1月には、さらに他のEU加盟国も巻き込んで欧州危機まで発展し、ユーロ/ドルは、2009年の12月から2010年6月7日までで、約3200ポイントの下落となりました。
2010年6月初旬の段階でも、マーケットは「ユーロは売り」というコンセンサスとなり、ユーロの先安感が強い状況でしたが、そこを欧米勢が、中間決算に絡んだ利益確定のユーロの買戻しに大きく出たことから、相場は大きく反転することになりました。
この2010年6月7日以降のユーロ/ドルの反発は、6月末までには700ポイント以上、反転上昇しました。上昇は8月初旬まで続き、安値からの上昇幅は、1400ポイントを越しました。
いずれにしましても、この例から、中間決算絡みの反対取引によって、相場が実際に反転してしまうということがお分かり頂けるかと思います。しかも、相場のテーマをいくらうんぬん考えても、中間決算という大きな為替取引がともなう「会計取引」には敵わないわけです。
この例では、中間決算にともなう為替の反対取引は、6月初旬から始まりましたが、早い年では、5月中旬から始まる場合もあります。ですので、5月中旬以降、注意しておくべきことは、年初来どういったテーマによって、どのようなポジションがマーケットで積み上がってきたのかを推理することが大事です。
※マネーポスト2015年夏号