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病院で計測すると自宅よりも高めになる血圧 その対処法は?

 自分は大丈夫と思っていても、自覚症状なしに進行するのが高血圧。気づいたら、動脈硬化や虚血性心疾患など、死に直結する病となって表れる、なんてことも珍しくない。

 そこで重要なのが、普段から自分の血圧の数値を知っておくことだ。それには血圧計で測るほかないのだが、病院で測った血圧(診療室血圧)と、家庭で測った血圧(家庭血圧)とでは、高血圧の基準が違うことをご存じだろうか。というのも、病院で測ると、どうしても緊張して、本来の血圧よりも高めの数値が出てしまう場合が多いのだ。そこで、本来の自分の血圧を知るには、リラックスした状態で、家庭で測るのがのぞましい。

 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」でも、自宅で測る“家庭血圧”重視を打ち出し、初めて明記している。その証拠に、同ガイドラインが定める高血圧の数値は、診療室血圧が140/90mmHg以上のところを家庭血圧では135/85mmHg以上と、5mmHg低く設定されている。

「たとえば、仮面性高血圧や早朝性高血圧などは、病院では実態を把握できず、その意味で診療室血圧はあてにならないのが実情です。その点、毎日、家庭で血圧を測って記録をとっておけば、医師がそれを見て病気を発見できる場合もあります。それに、自分自身も体調のちょっとした変化にも気づくことができます。“あ、いつもより高いな”と思ったら、食事を変えてみたり運動をしてみるなどして、自己防衛できるのです」

 では、家庭血圧はどうやって測るのが望ましいのか。朝は排尿後の朝食前に、夜は入浴や飲食の直後を避けて、眠る前に、正しい測定姿勢で2回測って平均を手帳に記録するのが基本。「正しい測定姿勢」とは、「背筋を伸ばし、椅子に座って足は床につける」「腕帯の下側が肘関節より上になるように巻き、帯が心臓と同じ高さになるよう、肘下にタオルを敷く」「測定する側の手は手のひらを上に向けて力を抜く」ことだ。

 家庭用血圧器の中でも二の腕に腕帯を巻く上腕式タイプが、より正確な測定ができるのでおすすめ。

 もし家庭用血圧計がない場合には、保健所や健康センターなどの公共機関に設置するところも増えており、共用血圧計を利用するのも手だ。

 毎朝晩測る習慣をつけることが、なにより重要なのだ。

※女性セブン2015年7月9・16日号

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