ライフ

整形体験した女性社会学者 「以前の顔は見事に忘れました」

「整形以前の顔は見事に忘れます」と体験を語る北条かやさん

 美容整形はかなり普及したと言われているが、いまだ公表する一般人は少ない。その一方で全身整形を公表しているヴァニラや、美容整形している様子を報告する読者モデルのブログへの関心はとても高い。多くの人が持つ顔を変えたいという欲望について、正面から取り組んだのが北条かや氏の『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)だ。整形へ興味を抱いた原点について、北条氏に聞いた。

 * * *
――美容整形というものに関心をもつようになったきっかけは?

北条かや(以下、北条):作家の中村うさぎさんのファンで、2002年ごろから集中的に書かれていた整形のエピソードをつづったエッセイも大好きで読み込んでいました。うさぎさん自身が整形をしていくのですが、最初はプチ整形やアートメイクで気が済むかと思ったら、どんどんハマっていき、ついに豊胸やリフトアップなど全身に及んでいった。それを全部公開していく文章が素晴らしかったんです。

――そのまま整形への興味が強まったのですか?

北条:中村さんの影響もありますが、私自身の研究テーマでもあります。社会学に「身体社会学」という分野があり、そこではピアッシングやボディビル、美容整形など身体にまつわる様々な研究がされています。身体社会学に興味をもった20歳ごろ、うさぎさんのエッセイに触発されてプチ整形にあたるボトックス注射を頬にしました。うさぎさんと同じように記録をつけ、どんなふうに意識が変化していくのか確かめたんです。

――体験してみて、どんな発見が?

北条:まず、手軽なことに驚きました。そして変化したあとの顔を元からこういう顔だったと思ってしまうことにびっくりしました。数か月で効果が消えるプチ整形とはいえ、どんどん頬の筋肉が委縮して顔が小さくなり輪郭がシャープになってゆく。結果的に、頬のお肉が顎の一か所にたまって不自然になる時期もあったのですが、決して美しいとは言えない、その様子も興味深かったですね。

――以前の顔がなかったことになるんですか。

北条:人間の適応力って、すごいですよね。中村うさぎさんのエッセイの通り、本当に以前の顔をすぐに忘れちゃうんですよ。体験するまでは本当に忘れてしまうのだろうかと半信半疑でしたが、こんなに見事に前の顔を忘れるとはと驚きました。

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン