ビジネス

マック迷走「母親目線を追求するなら託児所併設を」との声も

苦境マックに最善の打開策あるか

 期限切れの鶏肉使用問題が起きて1年。マクドナルドが業績悪化から一向に抜け出せず、まさに“蟻地獄”にはまっている。

 7月8日、日本マクドナルドホールディングスが発表した6月の既存店売上高は、前年同月比で23.4%減。10%以上の減収は12か月連続、20%以上の落ち込みも7か月連続となるなど、不名誉な記録を更新し続けている。

 こうした惨状にマックも手をこまねいてばかりではない。パンに挟む鶏肉ベースのパティにニンジンや枝豆などヘルシー素材を混ぜた「ベジタブルチキンバーガー」を発売したり、セットのサイドメニューにサラダやスイートコーンなど多様に選べるようにしたりと、健康志向の高い女性やファミリー客の呼び戻しを狙う。

 さらに、サラ・カサノバ社長兼CEOの肝入り策も始動している。子育て世代の母親から品質管理に対する意見や疑問を募り、店舗・工場の視察も行う「ママズ・アイ・プロジェクト」を発足させ、商品の安心安全をアピールしていく考えだ。

 しかし、女性を意識したヘルシー路線で客離れに歯止めがかかるとは限らない。フードアナリスト(日本フードアナリスト協会所属)の重盛高雄氏がいう。

「子供に食べさせても安全な商品という点で母親の理解を求めているのでしょうが、基本的にマックの顧客層は男性が中心で、なおかつ1970年代の日本進出時にマックのハンバーガーに魅了された人たち。

 だから、今でも休日になると、子供がハッピーセットに付いているオモチャ欲しさにお父さんとマックに来て、お母さんは近所のスターバックスにいるなんて光景も見られます。

 一時は『マックカフェ』を大々的に展開し、コーヒー1杯で何時間も過ごすサラリーマンや学生を掴んできた経緯を考えても、突然、女性を中心としたファミリー層にターゲットを絞るには、少し無理があるように思います」

 もちろん、消費者の来店動機を増やすためには、目新しいメニュー開発や飽きられない味の改良を続けなければならない。だが、「これまでにあった素材をベースに新商品を作ったり、組み合わせを変えたりするだけではインパクトに欠ける」(業界関係者)との厳しい声は後を絶えない。

 カサノバ社長も「お客様に目に見える形で変化を届けることが必要」と語っているように、さらに思い切った変革を遂げられなければ、この苦境を脱することは難しいのかもしれない。

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン