これから夏にかけて、どんどん生い茂る雑草は悩みのタネ。空き地などに背の高い植物が密生すると安全面でも問題があり、東京・町田市の山崎団地でも数年前まで頭を抱えていた。
「そこでやって来たのが、ぼくたちマチヤマブラザーズでございます!!」
約4000世帯が暮らすこの団地には、将来道路を造る予定の空き地があり、年に一度草刈り機で処理してきたが、3年前からヤギ(マチヤマブラザーズ)による除草を導入した。
「ぼくたちヤギは毎日たくさんの草を食べるので、年間を通して雑草をある程度の高さに抑えることができるわけです。さらに騒音なしで、CO2排出量の削減、刈った草の処分の必要なしと、いいことずくめです」
そう言って胸を張る彼らは、子ヤギのときから除草作業に従事するように育てられてきた、プロ集団。
「だって干し草しか食べないヤギですと、仕事にならないでしょう?」
彼らは4月下旬にここへやって来て、雑草がなくなる10月末まで働いたあと牧場へ帰る季節労働ヤギなのだ。
「寂しいと思いますよ、帰るときは。以前、別の場所で働いていた同僚は、お別れの時に子供から泣かれたって、牧場で涙ぐんでましたから…」
仕事をしながら癒しも与えるヤギ除草は、これからますます増えていくのかもしれない。ヤギは1日に体重の約3%の重量の干草を摂取。ちなみに町田山崎団地にいるヤギ4頭の平均体重は約45kgで、1日に約7~10kgの雑草を食べるという。
【プロフィール】
名前:マチヤマブラザーズ ♂
年齢:1~2才
種類:山羊(日本ザーネン種)
勤務先:町田山崎団地の空き地
職種:除草業
主な仕事内容:雑草を食べて空き地をきれいにする。
お給料: 空き地に生えた雑草
好きなこと: 団地のみなさんから感謝されること。
嫌いなこと:雨 。
現在の悩み:秋になったら団地のみんなとお別れしなくてはならないこと。
将来の夢:日本中の雑草を、食べ尽くします!!
※女性セブン2015年7月23日号