国際情報

韓国の「強い者に従う」メンタリティは生き残る上で仕方ない

 韓国の中国依存は韓国国内でも問題視されるようになっている。それは、わずか20年で対中国の貿易額が50倍にも達し、かつては対貿易額のツートップだった日本と米国を足した額をも上回る点にも見て取れる。また、日韓通貨スワップの代替として位置づけられる中韓通貨スワップ協定も結んでいる。

 この依存についての是非は、ネット掲示板での議論も白熱する。韓国はなぜここまで中国依存を進めるのか。元時事通信ソウル特派員でジャーナリストの室谷克実氏はいう。

「中国と韓国の関係は“蛇ににらまれたカエル”。中国を前にすると韓国は逆らえず、従属してしまう。これはもう理屈ではなく、朝鮮半島の歴史は、大半が中国の属国としての歴史で、『従属』の観念が刷り込まれている。

 それは経済だけでなく外交も同様です。在韓中国大使館の外交官はしょっちゅう韓国の国会議員を呼びつけ、『台湾に行くな』といった内政干渉を行ない、議員もぺこぺこしている。精神的にはすでに植民地状態です」

 14世紀末から約500年にわたって朝鮮半島を支配した李氏朝鮮の歴代国王は中国皇帝から任命され、朝鮮に貨幣の鋳造権はなかった。毎年、中国へは馬や牛、各3000頭に美女3000人を朝貢することも義務づけられ、要するに属国であり、李氏朝鮮は中国の地方政府のようなものだった。

 だから、韓国人の行動様式は「事大主義」(小は大に仕える、強大な勢力には従う)という考え方に染まっている。韓国を見下しているのではない。強大な中国と国境を接する、朝鮮半島の地政学的な事情を考えれば、「強い者に従う」というメンタリティが醸成されるのは、生き残る上で仕方がないのだ。

※週刊ポスト2015年7月31日号

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン