ライフ

オバさんになってからのキャラ替えは無駄 仮面付け替えでOK

 三つ子の魂百までとはよくいったもので、長年培ってきた人生で「キャラ」は作られていくもの。だからこそ、人生後半で突然キャラ替えをすることは無謀だと語るのは、ファッションプロデューサーの植松晃士さん。とはいっても印象を変えたい場合、オバさんは何をやればいいのでしょうか。植松さんが語ります。

 * * *
 皆さん、ご機嫌よう。いきなりナンですが、ドラマ『天皇の料理番』(TBS系)をご覧になりましたか? 主演の佐藤健さんはもちろんですが、兄役の鈴木亮平さん、妻役の黒木華さんの演技力も光って、前クールの連続ドラマでは視聴率ナンバー1だったそうです。このドラマに感動した女友達から早速、電話がありました。

「華ちゃん演じる奥さんが、けなげですっごくかわいかったの。やっぱり殿方はああいう控えめな女性が好きなのよね。私、これからはけなげキャラを目指すわ」と。

 気持ちはわかります。つらいことがあっても笑顔で夫を支える“耐える女キャラ”を、世の殿方はお好きですから。

「でもね」と、今回ばかりはあ・え・て、彼女にご忠告いたしました。

「思うに、アナタの中にけなげで控えめな要素なんて、欠片も見つからないんですけど。無謀なキャラ替えは時間の無駄よ」

 まったく似合わないキャラに変更したって、周りの人には息苦しい(見苦しい?)だけだし、本来の魅力が隠れてしまいます。

 世の中には、いい人キャラ、姐御キャラ、天然キャラなどなど、いろいろなキャラがありますよね。確かに、自分のキャラの方向性をある程度決めておくと、コミュニケーションを取る際には便利なこともあります。

「私は多分、こういう受け答えを期待されているんだろうな」と予想しやすいし、皆さんの期待通りのリアクションを返せば、その場も和やかに、平和に収まるというものです。キャラというのは、ある意味、人生という劇場で私たちがかぶる仮面のようなものです。

 私には「すべての女性は女優であれ」という持論があるのですが、その場、その場に応じて、たくみに仮面を使い分けている女性ほど、周囲に愛され、楽しい人生を送っているような気がします。

 天然キャラを例に挙げれば、いつも100%天然キャラで押し通したら、ただの空気が読めないお馬鹿さんです。大切なのは、キャラという仮面をつけたり外したりするタイミングを見極められる、勘と知性を身につけているかどうかということだと思うんです。

 たとえば長い間、仕事に没頭してきたあまり、完全にオジさん化してしまった女性がいます。彼女たちは社会的なキャリアのために、あえて自分の中の女らしさを封印し、「さばさばした男前キャラを演じたほうが有利」と考えたのでしょう。

 そしていつしか仮面を外すことを忘れてオジさんキャラ一本になってしまったのではないかしら。スッピンにポロシャツにズボンという、「ゴルフ帰りのお父さん?」的な風貌にまでオジさん化してしまうとこれはもう、戻る道はありません。お気の毒なことです。

 でも、そういう人に限って、自分が「オジさん化」してることには気づかないので、ご本人にとってはお幸せな人生なのかもしれません。そして、最初の話に戻りますが、一見魅力的に見えるかもしれないけなげキャラって、実はエスカレートしたら、ただの薄幸キャラになってしまいますよ。人生の後半で、あえて演じる必要がありますか?

 だから女性は、殿方の自分勝手な願望に合わせたキャラ設定なんて、する必要がないんです。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2015年8月13日号

関連記事

トピックス

田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
“高市効果”で自民党の政党支持率は前月比10ポイント以上も急上昇した…(時事通信フォト)
世論の現状認識と乖離する大メディアの“高市ぎらい” 参政党躍進時を彷彿とさせる“叩けば叩くほど高市支持が強まる”現象、「批判もカラ回りしている」との指摘
週刊ポスト
国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン