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2015.08.05 07:00  週刊ポスト

ホテルオークラ東京本館 創業者の強烈なダンディズムを体現

 53年の長きにわたり国内外の要人を迎え入れ、「日本のモダニズム建築の最高傑作」と称えられた「ホテルオークラ東京」の本館が、今年8月をもって建て替えのため閉館となる。2019年には41階と16階建ての2棟に生まれ変わる予定だ。

 オークラ本館は、東京国立近代美術館や迎賓館赤坂離宮和風別館も手がけた巨匠・谷口吉郎氏ら5人の建築家が設計。核心の中に日本の伝統美を取り入れたデザインは、世界にも例を見ない特別で優雅な空間を作り上げた。

 高い芸術性の実現には、創業者・大倉喜七郎氏の尽力が大きかった。戦前に父・喜八郎氏の爵位・男爵を受け継ぎ、戦後も「バロン」との愛称で呼ばれた人物である。ケンブリッジ大学を卒業した秀才であり、東西の芸術にも広く深く通じていた。

 編集工学研究所所長の松岡正剛氏がいう。

「喜七郎氏は日本最大のパトロンのひとりで、横山大観ら日本画家を応援し続けた。世界的に評価の高い本館のデザインも、喜七郎氏が大倉家所蔵の『平家納経』の模写を谷口氏に見せたことがきっかけで生まれました。オークラ本館は、喜七郎氏の強烈な美意識とダンディズムの体現です」

 世界のVIPたちを心酔させてきた希有な建築物は姿を変え、また新たな歴史を刻んでいく。

※週刊ポスト2015年8月14日号

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