D:「社長と広報部長の距離感って、他部門の部長のそれとはずいぶん違うよね。時にはゴーストライターにもならなければいけないから、社長といかに個人的に親しいかも大切になる。
ある大手電機メーカーの人は、『TPP交渉で進展があった時に、新聞社から“トップの考えを今日中にほしい”といわれた。でも正直、社長はすぐには考えられないから(笑い)、こっちで考えて社長にOKを貰わなきゃいけなくて大変だった』ってこぼしてたよ」
A:「距離が近すぎて、“知ってはならない秘密”にも触れてしまう。ある大手企業トップの愛人問題が週刊誌の記事になった時、広報部長が彼女を匿うために奔走したなんて話もあった。彼はその後ずいぶんと出世したけど、その時の論功行賞かな(笑い)」
C:「マスコミ対応では社長だけじゃなく、部下にもヒヤヒヤさせられるそうですよ。
最近はルックスの良い女性社員を広報部に置く会社も多いですよね。僕らは“キラキラ広報”なんて呼んでますけど、広報部長としては彼女たちも悩みのタネなんだとか。普段は記者ウケもいいから問題ないけど、もともと業務内容への理解度が低いから、不祥事が起きた時にはまったく役に立たない。
いざという時の対応には経験と熟練した“技”が必要で、お飾りの彼女たちにはどだい無理な話。あるIT企業の人は『PRとクレーム処理を同じ人がやる怖さがある』って口にしていました」
※週刊ポスト2015年8月14日号