今年の夏は、為替市場でも方向性の見えにくい相場が続いている。7月にはギリシャのユーロ離脱問題や中国の上海株式市場の下落、8月に入っても中国人民元の切り下げなど、株式市場のみならず為替市場にも大きな影響を与える出来事が相次ぎ、1ドル=120~125円のボックス圏からどちらに向かうのか予断を許さない状況だ。
こうした中で、苦労しているのがFX(外国為替証拠金取引)のトレーダーだ。彼らは、取引にどんな工夫をしているのだろうか。トレーダーたちに取材をしたところ、その多くは、自分の取引をする時間を決めていることが判明した。為替相場は、欧米の株式市場がオープンする前は動きが乏しくなる、といったように、時間帯によって動きに“クセ“がある。そこで、自分がクセをよく知っている時間帯に集中的に取引をして、勝率を上げる工夫をしているのだ。
だが、中国株の下落といったイレギュラーな材料が出ると、為替相場はクセどおりに動かなくなる。中国の上海市場は、日本の株式市場がオープンしている時間帯と重なっており、中国株下落で為替相場が大きく動いているとき、日本の株式市場だけをウォッチしていては、為替相場が何の材料で動いているのかさえ把握できないことになる。特に、7~8月は中国株が激しく乱高下したため、それで損失を出したFXトレーダーも少なくなかったようだ。
FXの専業トレーダーおよびブロガーとして知られる、ボリ平さんもそんな為替相場の異変を感じたひとりだった。そこで注目したのが、バイナリーオプションだったという。
バイナリーオプションの「バイナリー」とは、「二者択一」のこと。一定時間後(=判定時刻)の為替レートが、選択した目標レートよりも高くなるか低くなるかを予想する取引だ。
「バイナリーオプションには、ラダー、レンジ、タッチの3種類あるのですが、それぞれを使いこなすことで、相場に柔軟に対応することができ、方向性の見えにくい相場でも勝負できるようになりました」(ボリ平さん。以下「」内同)
ラダーは、判定時刻の為替レートが、設定された目標レートを上回るのか下回るのかを予想する。取引時点の為替レートから見て、予想が的中する可能性の低い取引ほど利益が大きくなり、的中する可能性の高い取引ほど利益は小さくなる仕組みだ。
「通常のFXとほぼ同じ感覚、ノウハウで取引ができます。数百円程度での取引が可能で、予想が外れた場合の損失額=投資金額であり、損失リスクが明確です。このメリットは、他の2種類のバイナリーオプションにも共通しています」