いまでも他社にはない最新技術で話題となっている東芝製品は多数登場している。IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏が解説する。
「最少能力の微弱運転を可能にして省エネだけでなく冷房に弱い人でも安心して使えるエアコンや、独自の真空技術によって約40時間保温してもおいしい炊飯器、黒カビがつかずに低振動・低騒音を実現したドラム式洗濯機などが東芝のオンリーワン技術の代表です」
さらに、日本初のカラー受像機を開発した東芝のテレビ事業は、常に最先端の映像美ほか、独自の機能を売りにしてきた。それは今も変わらない。
「他社はテレビにパソコンやネットの機能を加えたスマートテレビなども発売していますが、東芝はあくまでもテレビ放送を起点にしたコンテンツを徹底的に楽しむ機能を追求しているのが特徴です。
例えば『レグザシリーズ』で新たに始まるクラウドサービス(TimeOn)では、好きな野球チームや俳優、タレント、芸人などを入力しておけば、登場する番組やCM、YouTubeなどを横断検索してくれるので、好きなコンテンツを見逃さないで楽しめます。
そもそも現在の録画文化を作ったのは東芝です。『HDD+DVDレコーダー』の登場によって、全チャンネル丸ごとタイムシフト視聴など視聴者の利便性をいかに高めるかを常に考えてきたメーカーです」(前出・安蔵氏)
不採算事業の切り売りや撤退を決断すれば、一時的な業績回復は見込めるかもしれない。だが、家電メーカーの看板を下ろすことによって毀損するブランド価値の大きさも覚悟する必要があるだろう。