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東芝が家電撤退ならブランド毀損 不採算でも独自技術は多い

東芝はどんな構造改革で生き残りを図るのか(港区の本社)

 不正会計事件で揺れる東芝。利益の水増しなどに伴う業績の下方修正額は2130億円にも及び、2015年3月期の最終損益は大幅な赤字に転落する見通しとなった。

 今後、東芝にとって不採算事業の見直しと大規模なリストラの断行は、業績回復と生き残りのために避けて通れない道。そこで、構造改革の“第一候補”とされているのが、テレビやパソコン、冷蔵庫・洗濯機などの白モノ家電を抱えるライフスタイル部門である。

 すでに東芝は原子力と半導体を経営の「2本柱」に据え、そこに医療分野向けのヘルスケア事業を加える方針を立ててきた。2014年3月期のライフスタイル部門の売り上げは、東芝全体の2割を占めたが、510億円の営業赤字に陥るなどグループ全体の足を引っ張っているのが現状だ。

「東芝は今回の事件に関係なく、2年前から個人向けパソコン事業の縮小や、テレビ事業で海外事業からの撤退を進めるなど徐々にリストラ策を打ってきた。冷蔵庫や洗濯機もすべて海外生産に切り替え、工場のある東南アジアで提携先を探しているとの観測も出た。

 このままいけば、白モノを含むコンシューマー(一般消費者)向けの家電事業から完全撤退する可能性も否定できない」(経済誌記者)

 東芝に限らず、ソニーやシャープなど同業他社がコンシューマー向け事業の苦戦を強いられているのは決算数字を見ても明らか。しかし、これまで“日の丸家電”に慣れ親しんできた消費者から見れば、東芝ブランドが消滅していくのは残念でならないはずだ。

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