果たして今後も日本のSUV人気は続いていくのか。
「環境性能のいいクリーンディーゼルSUVの普及が加速していることもあり、トヨタがマイナーチェンジした『ランドクルーザー』や、BMWの『Xシリーズ』など大型、高級SUVにも再び関心が寄せられています。
SUVの魅力は、ガタガタ道でも余裕で走れ、アクティブライフを満喫できるのはもちろん、車高が高い分、街中や高速道路の渋滞時に視界が広がりストレスを軽減してくれるメリットがあります。
そして、オフロードっぽい逞しさを逆手に都会的なデザインにするなど、外装のデザインや見た目の自由度が高いことも人気を博している大きな要因。『セダン=フォーマル』、『クーペ=スポーティー』といった決まったイメージがないので、若者のみならず既存のクルマに飽きて変わった車種に乗ってみたいという中高年の乗り換え需要も取り込んでいます。
そう考えると、百花繚乱のSUV人気はしばらく続いていくと思います」(井元氏)
コモディティー化が進み、「どの車種も同じデザインに見える」といったユーザーの不満を打ち消す意味でも、SUV開発はメーカーの命脈を保つ大事な戦略といえるだろう。
●写真/井元康一郎