ビジネス

三菱自動車はSUVシフトに本腰 デザイン自由度も人気の要因

SUV人気はどこまで続く?(三菱アウトランダーPHEV)

 日本のクルマ市場は近年、燃費のいい軽自動車やミニバン、小型スポーツカーなどの新型車が話題だが、ここにきて各メーカーがこぞって力を入れている車種が、SUVと呼ばれる“スポーツ用多目的車”だ。

 米国生まれの『Jeep(ジープ)』に代表されるSUVは、四輪駆動による力強い走行性能などを売りにオフロード好きに愛されてきた反面、乗り心地や燃費に対する評価は二の次だった。

 だが、そのイメージはがらりと変わりつつある。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がいう。

「最近はステーションワゴンとSUVの中間ともいえる『クロスオーバーSUV』のラインアップが増えたことにより、小型で快適性や燃費も重視した“街乗りSUV”が主に若者たちから支持されています」

 トヨタ自動車『ハリアー』、日産自動車『ジューク』、マツダ『CX―3』、ホンダ『ヴィゼル』、スバル『フォレスター』、スズキ『ハスラー』……、中小型のSUV市場が年々拡大しているのは数字を見ても明らかだ。2014年の国内SUV販売は50万台を突破し、全体に占める割合も10%を超えた(調査会社HISオートモーティブ調べ)。

 今後もトヨタが2016年に新型SUVの『C―HR』を発売するほか、前出のジープやフィアットといった輸入車勢も小型車種の投入を続々と予定するなど“SUVラッシュ”に沸きそうだ。

 そして、この好機を逃すまいとSUV市場に賭けているのが三菱自動車である。

 同社は大型の『パジェロ』を筆頭に、PHEV(プラグインハイブリッド)車種を揃える中型の『アウトランダー』、小型の『RVR』と、いわば“SUVメーカー”の地位を確立してきた。そして、2017年をメドに、新型の小型SUVを開発する予定だという。

「リコール問題の影響で販売台数こそ振るわない時期が続きましたが、やはりSUVづくりに関しては三菱が国内メーカーで一番長けていると思います。

 RVRにしても、試乗してみるとまるで重量級のSUVみたいな雰囲気を残す乗り味を得られます。道路の凹凸を通るときもガタンと衝撃を受けるのではなく、ゆったりと乗り越えるイメージ。パジェロで培ったDNAが活きているなと感じます」(前出・井元氏)

 米国からの生産撤退、東南アジア市場の見直し、日本では販売店の縮小など組織再編に追われる三菱だが、相川哲郎社長が〈より利益を出せるSUVシフトを鮮明に打ち出す〉と述べているように、いよいよSUVメーカーとして本領発揮できる体制が整ってきた。

あわせて読みたい

トピックス

来季前半戦のフル参戦を確実にした川崎春花(Getty Images)
《明暗クッキリの女子ゴルフ》川崎春花ファイナルQT突破で“脱・トリプルボギー不倫”、小林夢果は成績残せず“不倫相手の妻”の主戦場へ
週刊ポスト
超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”だった高橋麻美香容疑者
《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」
NEWSポストセブン
迷惑行為を行った、自称新入生のアビゲイル・ルッツ(Instagramより)
《注目を浴びて有料サイトに誘導》米ルイジアナ州立大スタジアムで起きた“半裸女”騒動…観客の「暴走」一部始終がSNSで拡散され物議に
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《異なる形の突起物を備えた光沢感あるグローブも…》10代少女らが被害に遭った「エプスタイン事件」公開された新たな写真が示唆する“加害の痕跡”
NEWSポストセブン
オグリキャップとはいかなる存在だったのか(時事通信フォト)
《1990年のオグリキャップ「伝説の有馬記念」》警備をしていた小川直也氏は「人が多すぎて巡回できず」「勝った瞬間上司と握手」、実況・大川和彦氏が振り返る「圧巻のオグリコール」
週刊ポスト
「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン
愛子さまへのオンライン署名が大きな盛り上がりを見せている背景とは(時事通信フォト)
「愛子さまを天皇に!」4万9000人がオンライン署名、急激に支持が高まっている背景 ラオス訪問での振る舞いに人気沸騰、秋篠宮家への“複雑な国民感情”も関係か
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン