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シルバー川柳の特徴「これまでの人生経験や知恵がモノいう」

 日本人の耳には七五調のリズムが心地よい。だからなのだろうか、川柳の形なら少々毒があっても受け入れられる。今年の9月7日で15周年を迎えた高齢社会・高齢者の日々の生活をテーマとした「シルバー川柳」の合計約15万句もの応募作から、過去に入選した珠玉の作品を紹介しよう。

「朝日川柳」の選者で、シルバー川柳を毎年ウォッチしている西木空人氏がシルバー川柳の特徴を解説する。

「川柳は社会や時代を題材にする場合が多く、これまでの人生経験や知恵がどれだけあるかがモノをいいます。高齢社会で年配者がそもそも増えたことや、90歳といった高齢になってもしっかりしたシニアが珍しくなくなったことも影響していると思います」

 過去にもっとも頻繁に扱われた題材は「物忘れ」だ。

●寝て練った 良い句だったが朝忘れ(73歳男性)

 まだ見ぬ名句は、こうやって葬り去られていく。また、うっかりドジをしたとしても川柳ならば打ち明けられる。

●暑いので リモコン入れるとテレビつく(75歳女性)

●改札を 通れずよく見りゃ診察券(46歳女性)

 自らの身を笑う題材として、隠しきれない老いを嘆いたこんな句も。

●若作り 席をゆずられムダを知り(71歳男性)

●素っぴんに 隣の犬が後退さり(78歳男性)

 すっぴんに関していうならば、老いも若きも共通かもしれない。

 老いを前向きに捉える句もある。

●鏡見て 懐かしくなる母の顔(55歳女性)

 自らの死期でさえ恰好の素材となる。

●どこで見る 東京五輪天か地か(62歳男性)

 新エンブレムぐらいは地で見たいが、どうなることやら。

●LED 使い切るまで無い寿命(78歳男性)

 LEDの寿命は約10年といわれている。ちなみに男性の平均寿命は80.21歳だ。

※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号

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